もう一度、弾きたい。
でも、昔みたいに弾けなかったら。
楽譜は、まだ読めるだろうか。
指は、動くだろうか。
好きだったからこそ、戻るのが少し怖い。
今回のDay9で制作したのは、そんな大人に向けた「やり直しピアノ」のLPです。
売るのは、ピアノ教室ではありません。
上手に戻らなくていい。
好きだった場所に、戻ればいい。
そこを、このLPの中心に置きました。
今回のLPで変えたもの
売る前
大人向けピアノ教室
↓
売る後
昔好きだった音に、今の自分のペースでもう一度戻る時間
「大人向け個人レッスン」
「初心者・ブランク歓迎」
それだけでは、教室の機能説明で終わります。
でも、この人が本当に欲しいのは、レッスンそのものではありません。
昔、好きだった自分に、もう一度会う時間。
だから、「ピアノを習う」から、好きだった音へ戻るへ、価値の見せ方を変えました。
このLPは誰のために作ったのか
想定したのは、昔ピアノを習っていたけれど、再開するきっかけを失っている大人です。
ピアノが嫌いになったわけではない。
むしろ、今でも少し弾きたい。
でも、時間が空きすぎた。
そして、心のどこかで思っている。
昔みたいに弾けなかったら、
少し悲しいかもしれない。
今さら始めてもいいのか。
大人が習いに行って、浮かないだろうか。
今回拾ったのは、技術への不安だけではありません。
好きだったものに、もう一度手を伸ばしていいのか。
そのためらいでした。
AIへ渡す前の「言葉の設計図」
Day9|言葉の設計図
「ピアノを習いたい大人」では広すぎる。昔好きだったのに、ブランクへの不安から、もう一度始めることをためらっている人。そこまで具体化してから、AIへ渡しました。
| 項目 | 設計した内容 |
|---|---|
| ターゲット | 昔ピアノを習っていたが、再開するきっかけを失っている大人 |
| 表面的な悩み | 今さら始めても遅い気がする。楽譜が読めるか不安。昔のように指が動くか心配。 |
| 本当の悩み | 昔好きだったことに、もう一度手を伸ばしていいのか迷っている |
| 欲しい未来 | 上手下手に縛られず、自分のペースで音を鳴らす時間を取り戻すこと |
| 売る前 | 大人向けピアノ教室 |
| 売る後 | 昔好きだった音に、今の自分のペースでもう一度戻る時間 |
| 独自性 | 上達を急がせるのではなく、ブランクや不安を抱えたままでも戻れる空気をつくる |
| 一撃コピー | 昔あきらめた音を、もう一度、自分の手で。 |
| 中心メッセージ | 上手に戻らなくていい。好きだった場所に、戻ればいい。 |
| CTA | 体験レッスンについて相談する |
この設計で大切にしたのは、「上達」を急がせないことでした。
昔のように弾く。
難しい曲を弾く。
早く上手になる。
その前に、もう一度、鍵盤に触れる。
再開の最初の一歩を、小さくする。
その順番を、LP全体に通しました。
なぜ、この構成にしたのか
最初に「上達」を見せなかった
ピアノ教室のLPでは、上達や技術を見せたくなります。
弾ける曲。
レッスン内容。
練習方法。
でも、この読者は、その前で止まっています。
まだ、「始めていい」と思えていない。
だから最初に必要なのは、目標ではありませんでした。
もう一度、弾いてみてもいい。
その許可を先に置きました。
「昔のように」をゴールにしなかった
ブランクがある人にとって、「昔のように弾く」はプレッシャーになることがあります。
昔より指が動かない。
忘れている。
それを失敗にすると、戻ること自体が怖くなります。
そこで、昔の自分と比べるのをやめました。
今の自分のペースで、もう一度音を楽しむ。
戻る場所は同じでも、戻り方まで同じでなくていい。
デザインも、「そっと戻る空気」から決めた
今回、派手な演奏シーンや華やかなステージを中心には置きませんでした。
鍵盤。
手元。
やわらかい光。
余白。
見せたかったのは、すごい演奏ではありません。
久しぶりに鍵盤へ触れる、その一瞬。
言葉もデザインも、背中を強く押すのではなく、戻るための距離を少し縮めるように設計しました。
完成LPを展示する

この作品は、大人向けピアノレッスンを題材に制作したデモLPです。
見てほしいのは、装飾だけではありません。
「ピアノ教室」という商品を、どんな再会の時間へ変換したのか。
その設計です。
職人メモ
CRAFTSMAN NOTE
好きだったものほど、戻るのが怖いことがある。
昔のようにできなかったら。
思っていたより忘れていたら。
好きだった思い出まで、少し変わってしまいそうで怖い。
だから、昔の自分へ戻すのではなく、今の自分を迎え入れる。
再開を売るときに必要なのは、上達への期待より、戻ってもいいと思える言葉なのかもしれません。
今回の設計を振り返る
Day9で変えたのは、レッスン内容ではありません。
「ピアノを習う」から、「好きだった音へ戻る」へ。
そして、昔と同じように戻る必要もない。
上手に戻らなくていい。好きだった場所に、戻ればいい。
その許可が、今回の設計です。
次の展示へ
完成した作品だけではなく、その前に何を考え、どんな言葉をAIへ渡したのか。
ポートフォリオ美術館では、その設計図まで展示しています。

