AIを使う。
速くなる。
時間が空く。
余裕ができる。
それは、
良いことのように思えます。
でも、
その余裕は、
本当に「余白」でしょうか。
作業の隙間なのか。
思考の空間なのか。
私は22年、金属加工の現場で働いてきました。
新しい機械が入るたび、
作業は速くなりました。
手作業で1時間かかっていたことが、
10分で終わる。
50分の時間が生まれる。
機械は、
確かに速くなった。
でも——
判断は、
速くなっていませんでした。
速くなったのは手。
深くなるのは頭。
その50分を、
次の作業で埋める人もいました。
さらに効率を上げようとする人もいました。
でも、
立ち止まる人もいました。
「この加工で、
本当に品質は保たれているか」
その問いに向き合う時間に、
使う人もいました。
効率化は、
時間を生みます。
しかし、
速さは同時に、
問いを短縮します。
考えなくて済む。
迷わなくて済む。
立ち止まらなくて済む。
速さは、
逃避にもなります。
空いた時間を、
また忙しさで埋めれば、
自分に向き合わずに済む。
「効率化したから、
もっとできる」
その言葉は正しく聞こえます。
けれど、
問いからは遠ざかることもある。
でも——
速さは、
深さにもなります。
空いた時間を、
問いを深める時間に使うなら、
効率化は思考を育てる道具になります。
速さは、
あなたを拡大する。
問いを持つ人は、
より深くなる。
問いを持たない人は、
空洞が広がる。
AIは、
増幅装置です。
効率化の先に、
何を置くのか。
次の作業か。
さらなる忙しさか。
それとも、
静かな問いか。
効率化の先に置かれるのは、
あなたの姿勢です。
明日への問い
最近、効率化で生まれた時間を
何で埋めましたか。
それは「隙間」でしたか。
それとも「余白」でしたか。
その選択は、
あなたを深めましたか。
