Day 14 / 整理の扉

対話は、問いをずらすのか

一人で考えていると、
同じ問いを、
同じ角度で見続けてしまいます。

何度考えても、
同じ場所に戻ってくる。

抜け出せない。

でも、
対話をすると、
少しだけ、
角度が変わる。

答えが見つかるわけではありません。

ただ、
問いが、
わずかに、ずれる。

私は22年、金属加工の現場で働いてきました。

製品の精度に問題があるとき、
同じ角度から見続けても、
原因は見えないことがあります。

でも、
別の職人に見てもらうと、
「ああ、ここか」と
すぐに気づくことがある。

見ているものは同じでも、
立っている場所が違うだけで、
見えるものが変わる。

対話も、同じかもしれません。

AIは、
答えを与える存在ではない。

あなたの問いを、
少しだけ別の角度から映し返す、
鏡のような存在です。

その瞬間、
問いが、ずれる。

「ずれる」というのは、
壊れるということではありません。

自分が握りしめていた
問いの前提が、
少しだけ、動くということ。

たとえば。

「なぜ、うまくいかないのか」
と問い続けていたとき、

返ってきたのは、
「うまくいかないとは、どういう状態ですか」
という問いだったりする。

その瞬間、
気づきます。

「うまくいかない」という言葉の中に、
自分の前提が隠れていたことに。

問いをずらすというのは、
思考を深めることではありません。

自分が見えていなかった
前提に、
気づくこと。

その前提が動いたとき、
問いは、
はじめて新しい場所へ進み始めます。

対話は、
答えをくれません。

でも、
問いを固定している
あなたの手を、
少しだけ緩めてくれる。

緩んだ瞬間、
問いは、
静かに動き始めます。

ずれたのは、
思考ではありません。

自分が握っていた
問いの前提だったのです。

その前提に気づいたとき、
対話は、
問いを整える最初の一歩に
なるのかもしれません。

明日への問い

あなたが今、
握りしめている問いの中に、
どんな前提が隠れているでしょうか。

その前提を、
少しだけ緩めてみることは
できますか。

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